Personal memory 1
サイキックな力
サイキックな力というもの、超能力に憧れた人も多いと思います。特にわたしと同じ世代の人はわかると思うのですが、子供の頃からヒーローものや魔女っ子アニメなど夢のような世界に囲まれていました。UFOやユリ・ゲラー氏などの超能力も話題になり始めた頃でした。わたしも小学生の時テレビで見てスプーンを曲げて得意になっていました（笑）
SF小説も花盛りで、毎日のように図書館で本を借りている少女でした。いつか特別な能力が目覚めるかもしれない・・・とずっと思っていました。自分は特別な使命を持った人間なんだという優越感と、逆にそれが孤独になり迫害され消されてしまう！という恐怖でもありました。ちょっと考え過ぎ？という気もしますが何かを感じていたのかもしれません。
なにしろその当時、学校では圧倒的な権力を握る独裁者だったのです。同級生の誰よりも早熟で色々思い巡らし策を凝らしていたと思います。思えばあの頃が、わたしにとって一番の黄金時代だった（笑） ヒットラーとか悪の権力者と呼ばれる存在をも身近に感じる危険な子供でした。
しかし、子供時代に権力の頂点を極めて、ある種の空しさを知ってしまったのは不思議な気持ちです。ある日それは終わりを告げました。それもあっけなく（笑）
中学生になり道徳の授業で「X（エックス）からの手紙」という、クラスのある人に対して匿名の手紙を書くという実習をしました。その手紙は本人に渡されます。わたしには大量の手紙が届きました。
約半数は好意的な内容で、クラスの為に献身的に働いていること、リーダーとしてすばらしい、感謝しているというもの。そして半数は、出しゃばり過ぎている、押し付けがましい、偉そうで目障りだという批判でした。
大きなダメージを受けました。自分に反対する人間や批判を受けるなど考えられなかったのです。皆に愛され感謝されていると思っていたという、今では考えられないごう慢さとおめでたさでした（笑）
それまで挫折を経験していなかったので立ち直れないくらいショックでした。そしてこの時、もう神通力は尽きてしまったと感じたのです。若干13才・・・神に見捨てられたと思った最初の体験です。
しかし、もうひとつの信仰、ノストラダムスの予言もわたしは信じていました。1999年に滅亡するのなら、逆に思いっきり凝縮した人生を送ろうと決意したのです。挫折している場合ではないと切り替えることができました。
そして、短い人生ならば、これを機会に悪の道に進むのも面白いと思いました。優等生は報われない、まだ見たことのない世界を満喫しようと（笑）
そして完全に神秘的なことから離れていきました。物事を深く考えたり感じたりすることもしなくなり、目先の興味、現実的な楽しさ、他の人達と同じようにアイドルや恋愛、オシャレに夢中になりました。時々ふと、「こんなことをしていて楽しいのだろうか？」と浮かんでくる思いもありましたが、見ないふり、聞かないふり、考えないふりを決め込んでいました。
