Diary

会社は誰のもの?           2005. 3.17 THU

最近話題のニュースを見ながらふと思う。今まで、あまり考えたこともなかったけどいい機会なので色々考えてみよう。もちろん話題の論点からズレるのはいつものことです(笑)

その昔わたしが入社した会社は2年くらいで廃業になってしまいました。名古屋でも大手のアパレルメーカーの子会社で、親会社を独立した仲間達で立ち上げた、いわゆるマンションメーカー。

親会社は大手で堅いイメージ、尚かつターゲットも高めだったので、若者向けの小回りが利く子会社を持っても良いと思ったのだと思う。

みんな30代前半、少数精鋭主義の若い感性のカジュアルな職場でした。会社に行っているというよりサークルみたいな感じ。でも、ファッション業界だから当然だよね(笑)

最初は名古屋支店に勤務して、入社2年たった頃に東京本社に転勤しました。でも、転勤してきて1ヶ月位で廃業の発表があり正直びっくりした(笑)

水面下では色々あったみたい。わたしが東京に呼ばれたのも作戦の一部だったのです。そう、次の仕掛けのために。

廃業(まあ、事実上は倒産)の原因は仲間割れなんじゃないかと思う。ちょうど設立して5年目くらいだったのかな。クーデターです(笑) 社長が調子に乗っていい気になりすぎたらしい。会社を私物化していたのが大きかったと思う。

わたしの立場では社長と直接話をしたわけではないから彼の言い分は本当のところはわからないけど、社長以下全設立時のメンバーが同じように言っていたので本当なんだと思う。聞かされたときは心底びっくりした。

仲間同士の会社設立って難しいなと思った。最初は同じ夢を持ち協力してがんばってこれただろうけど、時が過ぎ立場が確定し、少しずつずれてくるのかもしれない。

仲間の一人が社長に就任し、やがて自分が社長であることに慣れ、仲間を見下したり好き勝手振舞うようになると誰もついてこない。

それどころか、仲が良かっただけ余計憎悪の気持ちも深くなる。そして、ついに自分達の作った会社もろとも崩壊させることを決めてしまう。この会社の時は親会社に事実を報告し手を引かせるように動いたらしい。

この頃まだ21歳だったけど、妙に冷静に大人達の動きを観察していました。社長の行為は許してはいけないことだったけど、でも、ある程度まで黙って見て見ぬ振りして上手くやってきていたくせに最後に裏切る他のメンバーも同罪なんじゃないの?とも思っていました。

まあ、今思えば、もう限界だったのかもしれない。気づいていても仲間だから注意できない思いもあっただろうし、ずっと蓄積していたものが、たまたま皆が集まった席で誰かが口火を切り一気に終焉へと進むことになってしまったのだから。

全員で制裁を加えたのだと思う。後半の修羅場はすごかったです。影でこそこそ画策しているのがおおっぴらに行動するようになっていたし、人間関係の恐さを間近で見ることになりました。ホント映画やドラマの世界でしたから(笑)

そして、その流れの一環で、わたしを本社に呼ぶという話も水面下で起こっていたのだと思う。そう、次の手、次の会社設立がすでに書かれていたのです。

まあ、当然と言えば当然です。やはり手がけている仕事もすでにありますし取引先への責任は反故にする訳にはいきません

。彼等にも心がありますから内輪もめで会社倒産したからごめんなさいとは言えない。まず第一に取引先のことを考えて動いていました。だから、わたしも付いていこうと思ったのです。

その当時はバブル期の終わり。とらばーゆも全盛期で再就職も可能でした。でも、一応自分のブランドも任せてもらっていたし取引先との縁も感じていたので継続できる環境がベストと自然に思えました。

それに、よそに行って、また下積みから始めることは考えたくなかった(笑)

それから2年。新しく立ち上げた会社で充分勉強させてもらいキャリアを積んで巣立つことになりました。因果応報とは思いたくないけど、社長の器でないことを見切る位に成長したのかな。飼い犬に手を噛まれたくらいのことを言われ泥沼退社になってしまったのです。

部長の頃は尊敬していたけど社長になったとたんにダメになってしまったように思う。ホント面白いくらいの変化に最初は戸惑い、でも信じようと思った。

自分の仕事をしていればいいと思っていた。会社は仕事をする所。多少の社長の欠点は目をつぶろう・・・と。

でも、自分が成長し側近の立場になれば見たくないものも見えてしまう。だんだん辛くなってきた。そして、自分の仕事に自信がでてくると自ずと意識が変わってくる。やっぱり3、4年もすると変化してくる。

あんなに尊敬し一生ついていこうと決めたのにね。これって結婚生活にも当てはまりそう(笑)

断固としてノーと言わなければ巣立つことができなかった。ホントは、ものすごく感謝していたし円満退社したかった。でも、会社にとってみれば許せない裏切りです。ここまでしてやったのに・・・と罵りたい気持ちもわかる。

でも、半年前に意思を伝えたことで自分ではいっぱいいっぱいでした。だって辞めたい本当の理由が「社長を信じられない」では、どうにもならない。

排除する訳にはいかないし、そもそもそんな気持ちを持ちながら仕えることも失礼になります。わたしが悪い、ただそれだけです。

そう、やはり会社というものは社長がすべてです。上場会社は株主とか別の要素がいっぱい入ってくるけど社員にとってはそうだと思う。社長の考えや理念が合わないのであれば辞めるしかない。会社側から見れば、それに同意できない社員は邪魔者です。

わたしは会社の倒産騒ぎを知った時から会社についての多くの本を読んできました。どうあるべきか常に考え自分の行動を正し、それと共に他者も観察し分析することになりました。

そのおかげで経営者や経営についても学ぶことになり、比較的その後は学んだことを生かせるようになったと思う。実際カウンセリングをしていて両方の立場が理解できるのも、この時の経験があればこそ。

ホント何が幸いするかわからない(笑)

上手く行かないことや間違った判断をしたとしても、どこかで悩んだり考えたりしたことは生かせる時が来る。そう信じて、その時できる精一杯の判断を下したり流れに乗って行けばいい。

どうにもならないこともあるし、その時は誰かを傷つけたり恨まれるくらい嫌われたとしても無理して留まることがいいとは限らないのだから。

あれから一度も社長とは会っていない。一緒に働いた仲間とも絶縁したままです。辞めたことで迷惑も多少はかけたと思うし恨んだだろうけど後悔はしないつもり。許してもらおうなんておこがましいし許されることが本意ではないからね。

やってしまったことは事実。そのことに責任を持つ。そう、責任を持つということは、その結果幸せになることだと思う。

単なるケンカではなく方向性が違う時期に来たこと、成長したことをたぶん認めてくれると思いたい。今でも一緒に仕事したこと教えてくれたことは感謝してもしすぎることはない。大切な存在だったと思う。

そう心から思えれば、たぶん相手も理解してくれていると思う。それまでの蓄積、信頼関係を築いてきた自信はあるからね(笑)

たぶん、時が過ぎ、最初の会社のメンバーも仲直りできているといいなと思う。きっと自らが同じ社長という立場になって初めて相手のことが理解できた部分もあると思う。そのうちバッタリ再会してあの頃のことを話してみたいな・・・という希望をひそかに持っています♪

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