Turquoise area

退行催眠/前世療法_4

S さん(34才・女性)

まず、過去生体験に入る前に大谷さんとお話をさせていただきました。私のつらい思い(子供の保育園のこと、仕事の人間関係のこと、夫のこと、男友達のこと)を話しました。その結果、大谷さんが話されたのは「だれもが一方的に悪いということはない。だれもがみんな正しい」ということでした。私は、どちらかというと「こうなったのは○○のせい」というように、常に自分は悪くない、と思っていました。それがゆえに、毎日が苦しく、人を許せない状態が続いていました。

もう、つらくてどうにもならない心は一体、どこからくるのか。

大谷さんいわく、今回の私の生きるテーマは「人を許す」ということだとおっしゃいました。でも、どうしたら人をおだやかに許せるようになるのだろう。それを知るために、催眠に入りました。

体を緊張させたりリラックスさせたりして、深い催眠へと導入後(といってもすべて何が起こっているかは、はっきりと意識があるのです)、草原の道を左に進む私に見えてきたのは、薄いピンク色のかわいいドレスを着て、白いバレエのトウシューズみたいなのをはき、白いタイツをはいた7〜8歳くらいのかわいい女の子でした。瞳の色は澄んだブルー、髪の毛は金髪で天然パーマのようにくりくりとしていました。そして頭上には小さな王冠がありました。

名前は多分、ナーシャ(マリーかも)。本当にかわいい、ちゃめっけたっぷりの少女でした。場所は中世のドイツ。なんか、わかりませんがそんな感じが浮かび上がるのです。私の想像かもしれないのですが、私は歴史が大嫌いで、ましてや世界史なんてわかりません。

その子は、お城の城壁の外にいて、なにやら困った顔をしていました。どうやら私のいたずらが激しくて、お城の王様と王女様から追い出されたようでした。多分、この人物が私です。そこに私と一緒に、50歳くらいの男性がいました。頭はちょっと薄くて、細身でやっぱり白いタイツをはいていて、貴族のような格好をしているのですが、多分私の専属の召使いです。

彼は私を全身で受け止め、あたたかく見守っていてくれるので、私は全幅の信頼をおいていました。彼こそが、今の夫にちがいない、と確信がもてました。なんでかわからないのですが、そんな気がしてならないのです。私のあるがままをいつも彼だけが認めてくれました。私は、彼に完全に甘え、彼をふりまわしていたこともあったようです。(まさに、今でもそうなのです)

それから、大谷さんの導きで、成長した私を見ました。私は一生懸命、お城の屋根裏部屋で隠れて勉強をしていました。窓からはドイツの町並みが見えます。狭い部屋で、懸命に机に向かっていました。勉強して、見返してやるという思いが伝わってきました。

なぜ、そんなにひたむきに勉強をしていたのか、それは、とても悲しい事件があったからでした。私の全幅の信頼をおいていた彼が、ギロチンで処刑(多分、公開処刑)されてしまったからなのです。執行したのは、私の父である王(この人が多分、現世の父か保育園の園長)と女王。

私は、王をひどく恨み、優しい彼を目の前で失ったことに深い憤りを覚えました。実際、私は「なんで、彼を殺したの」と大谷さんの前で嘆き苦しみました。それ以来、私は両親を見返し、私がお城を統治すべく、猛勉強を始めたのです。悔しい、本当に悔しい。いつか、反逆してやる、そんな思いでした。

そして、さらに時間を進めると、私はどうやらお城を出て、教師になっていました。多分、小学校の語学の教員でした。服は質素で、濃い深いピンク色のワンピースのようなものを着て、髪の毛はアップにしていました。勉強をした結果、私は教員になったのです。でも、結婚はしていないようで、どことなく孤独を感じました。西洋の言葉をつづった黒板が見えます。もう、お城とは金輪際、付き合わない。縁を切ろうと決心し、一人でかたくなに生きているようでした。

その後、さらに時間が進み、私は修道院の修道女でした。頭には黒い布、 修道院の方がかぶるような布をかぶっています。顔がしわだらけの老女でした。私は、両親をなくしたり、家が貧乏だったりする子供たちを預かり、一緒に暮らしているのでした。とてもおだやかな感じがしました。ようやく、修道院に入ることで、私はこれまでにくんできた両親を認め、許すことができたようでした。でも、そのことに気づいたのは両親が亡くなった後でした。

そして、私は私が死ぬ瞬間も見ました。私は、粗末だけど、子供たちがみんな一生懸命につくってくれた木の棺に入り、きれいな花をたむけられていました。子供たちは泣きながら、きれいな花で私を飾ってくれ、私は「ありがとう。とてもいい人生だったよ」といって、お別れをしました。その中に、黒人の子供がいました。頭はちりちりで、目がくりくりしていて、私はとりわけ、この子がいとおしかった。それが、今の息子のような気がします。

そして、天国に行きました。その後、再び大谷さんの導入で、私の現世の課題に直面しました。私は、生きている間、私の両親を許さなかったために、ずいぶん肩肘をはった生き方をしていました。そして、王が優しい召使を殺さなくてはならなかった理由もあること、王様にも事情があったことを知りました。召使の彼は、お城にとっては反逆者だったのです。でも、なんとなく今は、何者かが、心優しい彼を反逆者としてまつりあげ、王に処刑をせまったように思えてならないのです。

それを知らない王は、お城の存続のために、彼を殺さざるを得なかったのでした。王が生きているときにそれが分かれば、歩み寄れただろうし、許せたのかもしれません。お城と断絶しなくてもよかったし、孤独な晩年をおくらずに済んだかもしれません。修道院の老女であるわたしは、今の私の手をとり、しわだらけの手で私の手をなでながら「許すことは大事よ」といいました。なんとなく、そんな気がします。

それが、学びでした。それ以来、なんか今までのことがうそのように、人を許せるような気がしてきました。そして何より収穫だったのは、夫にもっと優しくしなくては、ということでした。優しく、すべてを受け入れてくれた彼。今でも、私のほうが結構強く、わがままで、彼をあごで使ってしまう(本当にごめんなさい)こともあったように思います。私のわがままぶりはここからきているのか、と思いました。そして、私が結婚を非常にあせっていたわけは、前世は独身を貫いたため、さびしかったからかもしれないな、と思いました。

また、修道女になった私を見たとき、ああ、やっぱりな、という印象も受けました。ちょうど、現世でも世界の子供たちになんかできないか、と考えていたこともあり、なんとなく、つながっていたのです。

今は、そんな感じが浮かび上がっています。過去生の退行は初めてですが、これほどまで、鮮明に見えたのには正直、びっくりです。まったくでたらめにしては、ストーリーがありすぎです。なんで、ドイツなのか、行ったことすらないのです。本当かどうか、わかりませんが、今までかたくなだった心が、ちょっとおだやかになれたのは事実です。夫への感謝と愛情はぐんとわいてきたみたいです。

長々と書いてしまいましたが、これで参考になりますでしょうか。また、行き詰ったら、大谷さんのお力をお借りしたいと思います。ありがとうございました。

Turquoise

体験記リスト

About . . .

Information